Arrandale は2010年にインテルから発売されたモバイル系のCPUです。Core2 からCore i 世代に移った最初の世代です。何が奇跡かというと、2022年の今でも現役で使えている事です。もちろん速さやスペックにギャップはありますが、Windows10も特に支障なく動いていますし、非公式ながらもWindows11も動きます。
Arrandale が今でも通用する理由
- 仮想化支援の SLAT(Second Level Address Translation)に対応 → VMware, Hyper-Vに必須
- H264ハードウェアデコーダ内蔵 → H264の動画再生
- CPUが64bit に最適化 → これ以降64bit OSが一般的になりました。
- 最大メモリ 8GB → 2022年も8GBが普通のレベルです。
- USB3.0 → インテルには関係なく外部のチップで実現していますが、2010年頃からUSB3.0端子搭載のPCが現れた。HDDなど高速なデバイスを使用できます。
- CPU 4個(Core 2個 + SMT)。標準的な構成
- SATA 3G。現在のSATAは6Gだが、最新のSATA SSDを使用できます。
- Windows10をクリーンインストール可能。非公式ながらWindows11も。
- HDMI端子 → この頃から今のスタンダードなHDMI端子が搭載されてます。
- HDMIとアナログVGAの端子に、2枚の外付けディスプレイを接続し表示が可能。
- Office 2010とOffice 2021は基本的な部分では特に変わっていない。
という具合。今の普通の機能を持っている事が、今でも現役で使える証です。
Arrandale が使えない分野
12年前のPCになりますので、当然いまいちな点があります。
- 動画のHWエンコード機能が無い
- H265, AV1などのHWデコード機能がない
- CPUの拡張命令であるAVXが使えない。
- CPUの熱量が高くファンがうるさい
- DirectX 10のため、3Dゲームは絶望的
- USB-C を搭載していない。
- Hyper-VとVMware の共存ができない。
おもにゲームは使い物にならないです。動画はH265以降のコーデックはCPUパワーが厳しいです。
あと、Windows11で必要な機能を欠いているため公式サポートされていません。
Arrandale が使える分野
Officeなどの事務処理や、Webの閲覧程度なら全く問題ありません。動画はH.264のHWデコードを持っているのが幸いでした。Youtubeも今の所無問題です。
Arrandale でWindows10を快適に使うために
メモリ8G と SSD化をしましょう。特にSSDは必須です。
所感
10年以上前のCPUが現役で使えるのは昔なら考えられない異常事態です。要因は何と言っても Intel の10nm の遅延にあります。この10年間のCPUのパフォーマンス向上のペースが明らかに落ちています。
顕著なのは2015年のSkyLake 以降です。
2021/6/27 更新
Windows11 が公式発表され、第7世代 Core 以下は適用外になってしまいました。
11年間最新のOSを使えたことが奇跡だったので、世代交代としては致し方なしです。
2021/10/14 更新
なんていこうことでしょう。Arrandale 上で Windows11 が動いています。非公式な方法なのでいつまで使い続けられるかは分かりませんが、Arrandale は今日も最新OSを動かせています。
方法はこちらをご覧ください