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2021年初頭 CPU概論(Intel, AMD, Arm, RISC-V)

2021年初頭、CPUが最近熱いです。Intel, AMD, Arm, RISC-Vそれぞれに大きなうねりがあり、歴史的な転換期を迎えているように思います。ここ最近の動向を振り返ってみます。

Intel

長い事PCのCPUを独占してきました。アーキテクチャーは x86とその64bit版であるx64。互換性を最大の武器として、プロセス技術でも他社よりも先に行っていたため、向かうところ敵なしの状態でした。14nm までは。
Ryzen 登場前は、Sky Lake アーキテクチャーの延命でも AMD が自滅していたおかげで殿様商売ができていました。
それが10nmでのつまづきと、AMD Ryzen の登場により、劣勢に立たされています。

2021年に発売される Rocket Lake はいまだに14nm です。10nmはモバイル向けに Tiger Lake が出ていますが、デスクトップのハイパフォーマンスは最適化が進んだ 14nm にはかなわない状況です。Rocket Lakeでは14nmながら、ついに Sky Lake アーキテクチャを拡張して、Cypress Cove なる拡張コアを搭載する。これは10nmのSunny Cove, Willow Cove を部分的に導入するようです。

14nm故に、コア拡張の限界、搭載できるコア数の制約、消費電力は高いという3重苦が重くのしかかってきます。しかも、次世代の7nm においても遅れが生じており登場が2023年初頭頃になりそうです。それにより、いよいよTSMCなど外部に頼る話すら出てきているのは驚きです。

2000年代、intelPentium4Prescottで発熱問題により大失敗をやらかしましたが、当時と何が違うのでしょう。
違いは、プロセス技術では先端だった。高効率アーキテクチャであるpenium-Mという救世主がいた。
この2点です。

今回は、どちらもありません・・・
しかし、あの intel がこのまま沈むとは思えません。きっとあの手この手を尽くして Ryzen に対抗してくるでしょう。

私のPCは 2010年製のArrandale ですが、10年前のパソコンがストレスなしに使えるなんてことは昔は考えられませんでした。これはIntelのライバルであるAMDが振るわなかったために、CPUアーキテクチャにそれほど手が加えらなかったことが大きいです。
しかし、これから数年で劇的に状況が変わりそうで、いよいよパソコンの買い替え時が到来するでしょう

AMD

天才ジムケラーの置き土産である Ryzen の勢いが止まりません。 AMDは過去に、Athron64x2 の頃も優勢だった時期がありましたが製造技術で後れを取っていたためチャンスをつかみきれませんでした。現在はAMDにとってシェアを伸ばす最大のチャンスの時期です。ちなみにAthronもジムケラーの設計したCPUです。
2020年は、Zen3によりCCXが8Coreとなり、8CoreまではCCX間のアクセスが不要となり、ゲームでの安定したパフォーマンスを獲得しました。
ここ最近のAMDは冴えまくっています。何といっても立役者はCEOの「リサ・スー」です。

気難しいCPU設計技術者を手なずけつつ、ポイントを押さえているのは素晴らしい。
2021年には、Zen4 で5nm化を果たします。微細化によりさらにコア数の増加・拡張が期待されます。
余談ですが、将棋の藤井聡太先生が Ryzenの性能に惚れこみ、ThreadRipper を購入されたとか。将棋のAIパワーにより、より高みを目指していらっしゃるのでしょう。

その昔、Athron Thunderbird、通称「焼き鳥」所有していたので、AMDの躍進は素直にうれしいです。

Arm

MacArmアーキテクチャーへ移行したことは2020年の最大のニュースです。Appleiphone, iPadの成功によるプラットフォーム戦略を主軸に、Macも融合しようとしています。
iOSユーザーが、その使い勝手やブランドイメージの良さから Mac を選ぶケースも多くなってきています。うまく、誘導できればシェア10%程度の現状をひっくり返する事になるかもしれません。
M1は省電力向けCPUとしては抜群の能力を示していますが、次の高性能CPUの出来栄えが気になります。高性能コアでも圧倒的な能力を示せば Mac を大きくアピールできるチャンスが到来します。

ArmはソフトバンクからnVidia に買収されました。これによる影響は今の所未知数です。

RISC-V

ArmがnVidiaの傘下になり、今までのようなオープンな状態が維持されるのかが不透明になる中、注目を集めているダークホースがRISC-Vです。
アーキテクチャがオープンなCPUです。x64のようなつぎはぎだらけのアーキテクチャーに対し、それらを教訓として効率的で拡張性の余地を残しているそうです。
数年後には、Armのシェアを減らすことになるかもしれない注目のCPUです。