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Core i5 1235U と Ryzen 5825U の比較(DELL Inspiron)

Dell のノートPC Inspiron シリーズがお買い得になっています。Core i5 1235U と AMD Ryzen 5825U のノートパソコンが同価格となり、比較調査することにしました。いろいろなサイトで比較した結果があるので、ここではその結果を元にどちらが良いかを紹介します。

1. はじめに

DELL Inspiron シリーズに Core-i5 1235U と AMD Ryzen 5825U が同じ価格で販売されています。メモリ 16GB, SSD 512GB で約9万となかなかなお買い得なスペックです。

2. CPU比較

2.1 Ryzen 5825U

5825U は ZEN3 コアで、8コア 16スレッド のCPUパワーは強力でマルチスレッド能力では 1235Uを圧倒します。TSMC の 7nm アーキテクチャの恩恵です。
全コアが同じアーキテクチャなので、性能が安定しているのも安心材料です。

評価サイトはこちら
デル Inspiron 14 AMD (5425)の実機レビュー - the比較

2.2 Core i5 1235U

1235Uは 第12世代 Core アーキテクチャ Alder Lake で、Intel 初の big.LITTLE のアプローチです。高性能コア(Pコア Golden Cove)x2でSMT付き , 高効率コア(Eコア Gracemont)x8 計12スレッド。PコアのシングルスレッドはRyzenを超えます。

評価サイトはこちら
Core i5-1235Uのベンチマーク - the比較

高性能コア(Pコア)が2個と少ないため、OSが適切なスレッドに割り当てないと性能が出ないことになります。Alder Lake には Thread Director という負荷状況を通知する機能があり、それを元にOS側がスレッドの割り当てを決定するのですが、それには Windows11 が必要です。
Intel は 10nm への移行で失敗し今でも消費電力に苦しんでおり、7nm の Ryzen のように高性能コアだけでは構成できず、高効率コアを入れてなんとか Ryzen に食らいついている印象です。 上記の評価サイトを見ると、バッテリの持ちは Ryzen の方が長いです。

3. グラフィクスの比較

3.1 ゲーム

Core i5 1235U, Ryzen 5825U ともに3D ゲームができるGPUではないですが、Ryzen 5825Uの方が上です。少し前までは圧倒的にRyzen の方が上でしたが Tiger Lake にて逆転現象が発生しています。一方のRyzen 5825U のGPUはVEGA のまま進歩がないままです。

ゲーム目的ならこれらのCPUでは無理があるので、より上位のPCが必要です。

3.2 動画支援機能

動画関連の機能・品質では Intel の方が上です。動画機能は それぞれ Intel QSV とAMD VCE と呼ばれています。動画エンコードの比較検証されたすごい方がいます。

rigayaの日記兼メモ帳 画質比較 (2020.03) 実写編

多くのPC比較サイトでは、エンコードの速さしか評価していませんが品質を取れば Intel が圧倒しています。

Intel QSV は AV1 のデコードに対応しています。CPUで再生するとかなりのパワーを食われるので地味に要注意ポイントです。10年前のPCを使っていますがH264のデコード機能は持っているので、youtube やビデオカメラなどの再生には困っていません。デコード機能がなかったらとっくに寿命を迎えていました。

AV1はまだメジャーではありませんが、使用料が高い H265(HVEC)に対し、圧縮率を超えつつフリー規格なことと、参加企業が intel, microsoft, intel, google, apple など今を支える企業が勢ぞろいしていることから、普及しないわけがありません。youtube はすでにサポートしていますし。

AV1 - Wikipedia

3.3 HDMI出力

DELL Inspiron に限った話ですが、HDMI 出力が Intel は 4k 60Hz RGB に対応していますが、AMDは 4K 30Hz YCbCr444 と劣っています。YCbCr444だと疑似色となり色化けする場合があります。ここでも RyzenGPU VEGA の古さが気になるところです。

4. 仮想化関連

Hyper-VVMWare の共存機能は Intel CPU に先に対応しましたが、すでに AMD にも対応できているので問題はないようです。

マイクロソフトはシェアが高い Intel 方を標準に考え、追って AMD にも対応していので Intel の方が安心ではあります。

仮想マシンを使う場合は、全コア均等でスレッド数が多いRyzen 5825U の方が圧倒的に有利です。VMWare Workstatikon 17では、仮想マシンはこの Pコア、Eコアを正しく振り分けることはできず混在できません。デフォルトだとすべてEコアで、設定すればPコア。どちらか一方のみです。

5. その他CPUの機能

Intel CPU には GNA という AI専用プロセッサが搭載されており、CPU, GPU のパワーを消費せずに演算が可能となります。Ryzen には今のところこのようなプロセッサは搭載されていません。このGNAはパフォーマンスよりも省電力に重きを置いたアクセラレータで、Windows Hello などに使用しているようです。

両者ともにAIアクセラレータに力を入れており、数世代後には Apple のように性能が高いモジュールが結合されるようです。

6. 総合的判断

主な用途は、仮想マシン、プログラミング、動画エンコードを想定しています。

結論は、Core i5 1235U を選択することにしました。PC環境全体のバランスを考えるとやはりIntelの方が一枚上手という印象です。消費電力で苦しみながらも、ここまでパフォーマンスが出るのは intel の底力を見ました。

CPUパワーだけなら仮想マシンに最適な Ryzen 8525U を選びたいところですが、その他がやはり古い。上位の Ryzen 6800 シリーズだとかなり改善しています。そちらが低価格帯に降りてくるのを待っていたのですが、APUとしてはハイエンドなので降りてくるはずもなく、Ryzen は断念となりました。

現在、2010年製の Core i5 430M Arrandale を使用していますが、PC購入後に12年の進化を感じられるか別の記事で紹介します。