電子キーボードの CASIO CT-S1 を購入しました。本格的なピアノには手が届かないけど、趣味で演奏を始めてみたい人にはおススメの機種です。鍵盤にはド素人なエンジニアがCT-S1 の特徴、PCと接続した快適レッスン環境の作り方、PCのキーボードと鍵盤の感覚の違いなど紹介します。
1. はじめに
楽器とは無縁の生活をしていましたが、家族の要望から電子キーボードの CASIO CT-S1 を購入しました。
楽器を購入したのは小学生ぶりじゃないだろうか。
昔、MIDI音源モジュールとして有名な SC-88Pro を購入したが、ほぼゲーム専用の音源に過ぎませんでした。
今回、音楽の世界に触れ、PCの世界とは全く違うのと、全くの初心者からスタートという事でワクワクしています。
2. CT-S1の特徴
一言でいうと、カタログに記載のキャッチフレーズの通り「生活空間にフィットするミニマルデザイン」。エレガントです
色は、白、赤、黒の3種類。あえて個性的な赤を狙うのもよし。
電子キーボードはMIDI楽器として、機能てんこ盛りで筐体デザインもそれを意識したデザインが多いですが、CT-S1はシンプルを極めてます。
またスピーカー部にファブリック素材を使う事で家具の一部として溶け込む感じで実に良いです。もっとも、汚れを気にする人は注意したほうがいいかもしれません。
見た目はシンプルな機能しかないように見えますが、兄弟機種の CT-S400 とほぼ瓜二つで、実は機能てんこ盛りだったりします。
こちらが CT-S400です。画面と各種ボタンがあり、いわゆる電子キーボードの形態をしていますね。
CT-S400も魅力的だったのですが、家族の意向は無視できなくCT-S1を選びました。
2.1 キーボード単体としてみた特徴
- タッチレスポンスによる強弱の表現
- こだわりのスピーカーで音が良い
- AiX音源による CT-S1だけの ADVANCED TONE を搭載(アコーステックな楽器を再現)
- 最大同時発音数が64と CT-S400の48より多い
- 伴奏機能やデモ曲はCT-S400より機能削減がされている。
- 細かい設定は画面がない中で鍵盤を使って行うので大変。いろいろ触りたいのならCT-S400の方が良いです。
手軽に楽器としての鍵盤を楽しむことを優先したつくりという事が読み取れます。
CT-S1の上位機種に、PX-1100S という88鍵盤の本格的な電子ピアノがありますが、デザインや方向性はよく似ています。
カシオは今までの機能てんこ盛りのキーボードから、方向性が変わりました。コロナの巣ごもりも相まってシェア・販売台数を伸ばしています。
カシオとヤマハが大接戦! 2020年の電子ピアノ人気No.1メーカーは? - BCN+R
公式サイトをご覧ください。開発者のインタビューを読みと製品化には色々な苦労があったことが分かり、ますます好きになりました。
https://music.casio.com/ja/products/casiotone/technology/
2.2 MIDI楽器としてみた特徴
- USB接続すれば、MIDI楽器として外部からコントロール可能になります。
- iPad, Android 向けの公式アプリ「Chordana Play」が提供されています。練習や採点機能が使えます。
- 別売りのBluetooth モジュールで、音声入力とMIDIを無線化できます。
2.3 iPhone, iPad との接続時の問題
CT-S1側は micro USB Type-B です。昔のAndroid が採用していたコネクタです。
スマホ側がmico USBや USB type-C であれば安価に接続できるのですが、lightning コネクタの場合、コスト面で悩ましいです。
選択肢は2つあります。
1. 有線接続 Appleの「Lightning - USBカメラアダプタ」 + USBケーブル 約4000円
2. 無線接続 純正オプションの Bluetoothアダプタ WU-BT10 約6000円
Apple のケーブルは高いのがネックです。ここまで出すのならもう少し背伸びして無線化してしまおうかとも思ってしまいます。
2022年の iPad からは Lightning 端子は完全消滅し、USB-C に移行したことを考えると iPhone も時間の問題です。現在 Lightning 端子が必要でさらに CT-S1 以外の例えば USBメモリなどにも接続するならUSBケーブル。そうでなければ、WU-BT10 がよいでしょう。
2.4 PCと接続時のレッスン快適環境
まず、CT-S1の奥にPCのディスプレイを置きます。
Windows10 PCとは、普通の100円ショップで入手できるUSBケーブル1本でOKです。接続するとMIDIデバイスとして自動認識します。
また、PCの音声出力をCT-S1に入力すると、PCのスピーカーとしてCT-S1を使う事ができます。
そうすると・・・
・PCの大画面で youtubeでピアノレッスン動画を見て学びつつ、MuseScore に楽譜を打ち込む。
・その後、練習時に解説が不要なら、YouTubeは見なくても MuseScore で再生すれば CT-S1で演奏させて確認することができます。
・例えば右手のパートをMuseScore に演奏させ、左手のパートのみを練習することもできます。
MuseScore はフリーの楽譜の入力ツール兼MIDIの演奏ツールでもあります。MIDIの楽器として CT-S1 を登録できるところがポイントです。Windows10 標準のMIDI音源は音が貧弱すぎるので、CT-S1で鳴らすと全く別物です。さすがAiX音源 グレートって感じてす。
また、音符の入力にCT-S1の鍵盤を使う事もできるのも良い。いわゆるMIDIキーボード的な使い方ができます。
この環境がとても気に入っています。こんな感じです
ホワイトの色味が、EIZOのディスプレイとマッチングしていて相性がいいです。
家族のキーボードなのに、PCの周辺機器と化してきました(笑)
そのうち iPad の簡単環境を構築してあげなくては・・・
3. PCのキーボードと鍵盤の違い
同じキーボードとはいえ、PCと鍵盤ではまったく違います。
PCのキーボードは完全にマスターしているのに、鍵盤では左右同時演奏は簡単な曲でさえ非常に難しい。
鍵盤は何が違うのだろう・・・
3.1 指をおく位置が流動的で移動量が多い
PCでも、テンキーやカーソルに行って帰ってくる時もありますが、鍵盤はみんな同じ形をしているので、手触りでは判断しかねるのが大きいのかも。何度も練習して距離感をつかむしかない。PCのキー入力と同じように、大体指が覚えてきたら指を見ないで演奏するように心がけています。
3.2 左右の指を独立して動かす
PCでは、言葉を意味するキーを順番に押しているだけです。鍵盤では一方は押したままなど、左右が独立した動きが求められる。ここが決定的に違う点です。
人間の思考は2つの事を同時にできるようにはなっていないので、ピアノを練習すると頭がよくなるというのはここからきているのではあるまいか。
なんでも挑戦するのは面白い ♪