PMPは試験に合格してもそのまま放置はできません。資格を維持し続けるために3年ごとに更新が発生します。業務と同様に継続的な取り組みが求められ、エビデンスとして60PDUという数値を満たさなければなりません。PMI会員特典を利用しながら獲得する方法を紹介します。
1. PDUとCCR
PDUとは「Professional Development Unit」の略で、PM資格の資格維持活動を定量的に数値化した単位です。PMPに合格するとその日からカウントダウンが始まり、3年以内に60PDUを取得する必要があります。この3年のサイクルの事をCCR(Continuing Certification Requirements System)と呼びます。
3年間で60PDUを取得できないと、1年間の猶予期間を経て最悪剥奪となります。
2. PDUの申請と審査・・・そして恐怖の監査(audit)
PMP試験申し込み時に PMI のアカウントを作成する事になりますが、PDUの申請もPMIのサイト上で申請します。一応審議プロセスはあるのですが数分後にあっさり承認されます。一度も拒否られたことは無いので、単なる受付なのでしょう。
しかし、そんな緩いはずもなく…PMP試験時と同じく監査(audit)がランダムに当たるそうです。監査対象に選出されるとそのエビデンスを求められるので安易な申請には気をつけて下さい。
CCRサイクルが終了後、18ヶ月間はPDUの資料を保管するように求められていることも注意点です。
4年も前の事をほじくり返されても忘れてしまいそうなので、しっかり記録は取っておきましょう。
3. PDUの獲得方法
CCRのガイドブックが公式サイトより公開されています。詳細はこちらをご覧ください
CCR ハンドブック 日本語版|PMI® 試験・資格について|一般社団法人 PMI日本支部
そのうち、私がやっているのは4つです。
3.1 PMI認定のセミナーに参加する
獲得できるPDU数を謳っているセミナーが多数あります。試験勉強では薄く広くという点もありますので、じっくりある分野について知識を深めることはいいことです。
1時間の授業が1PDUに相当します。
監査対応: :受講証明書など
3.2 オンラインまたはデジタルメディア
特にPMIと密接な関係がある Project Management.com がお勧めです。WEB + Seminor から Webinarと呼びます。https://www.projectmanagement.com/
PMIとアカウントをリンクさせておくと、オンデマンド動画を見るだけで自動的にPDUを取得できます。約1時間の動画で1PDUに相当します。
この動画はほぼすべてが英語という最大の難関がありますが、一部は日本語訳が用意されています。https://www.projectmanagement.com/blog-post/32554/------------------
監査対応: :システムで対応しているので新たな資料は不要です。
※PMI会員の有無で視聴できるページに制約があります。詳しくは下に書きました。
3.3 PMに関する書籍を学習
自習です。私はこれをメインに取り組んでいて、PMBOK本を知識エリアごとに読み返しています。
1時間の自習が1PDUに相当します。
監査対応: :内容の概要と学習記録。エビデンスは要注意です。
3.4 実務者として仕事をする(Work as a Practitioner)
PMに関わる業務そのものです。日頃の業務で取得できるのですからぜひ申請しましょう。
ただし、申請にはいくつか注意点があります。
8ヶ月の業務経験が得られたら、52PDUを超える前に1回の申請で8PDUをまとめて取得しましょう。
監査対応: :雇用証明(職務記述書)。PMP試験時と同じような資料の提出が必要です。
4.費用
CCRの更新費用として、PMI会員60ドル、PMI非会員なら150ドルかかる。PMI会員費は年間129ドル。
トータル費用を比較してみると
差額は 447 - 150 = 297ドル PMIの方が余分に負担がかかる。年間換算すると99ドル。日本円にすると10000円を超える程度です。さて、PMI会員にその価値があるかです。
5. PMI会員のメリット
PMI会員のメリットについて詳細はここにあります
https://www.projectmanagement.com/blog-post/35652/PMI------------------
私がメリットと感じて入会している理由は2点あります。
5.1 特典(1). PMBOK Guide のPDF版をダウンロードできる
もうすぐ7版が適用になりますが、最新版をいつでも入手できるのはメリットです。
日本語訳がいまいちなところは、英語版で確認ができるところも良いです。
PMBOK本の学習でPDUを取得できますから。もうすぐ版が変わる今は入るメリットは大きいです。
5.2 特典(2). Webinar プレミアム版を視聴できる
Webinar には無料版とプレミアム版があります。
動画総数をみると無料版が211本に対して、プレミアム版は1718本あります。さらにいくつかには日本語訳もついています。
圧倒的な差です。
PDU取得のために Webinar を視聴するために大きなメリットがあります。
※その他は見ていませんが、各種テンプレートが入手できるらしいので、ツール探しに見てみようと思っています。
6. 所感
Webinar をみると完全に英語が前提となっています。
PMIの倫理規定によれば、人種に寄らずに公平に扱うべきと謳っているのだから、言語の障壁も取り払って欲しいものです。
とりあえず、youtubeではすでに動画のリアルタイム翻訳が実現されているのでどうにかならんものか。