Windows PCで動作する仮想PCの3大ソフト (VMware Workstation Player, Oracle VirtualBox, Microsoft Hyper-V) のHDDパフォーマンスを計測してみます。HDDはシステム全体のボトルネックなので使いやすさの良い指標になります。
ここはハイパーバイザー方式の Hyper-V に期待です。
環境
ホストPCスペック
項目 | 内容 |
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CPU | Core i5-430M (Core 2個 + SMT) |
Mem | 8GB |
HDDコントローラ | AHCI SATA 300 |
SSD | Samsung SSD 850Evo 250GB |
OS | Windows10 Pro x64 20H2 |
仮想化支援 | VT-x SLAT |
仮想化ソフト
製品名 | バージョン |
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VMware Workstation 16 Player | 16.0.0 build-16894299 |
ORACLE VirtualBox 6.1 | 6.1.16r140961 + ExtensionPack |
Microsoft Hyper-V | Windows10 20H2付属 第1世代 |
ゲストOS環境
項目 | 内容 |
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OS | Windows10 x86 20H2 |
CPU | 2 Core割り当て |
メモリ | 3GB |
HDD | OS:20GB, 計測用 2GB(事前割り当て) |
仮想マシンごとのハードディスクコントローラ
製品名 | HDDコントローラ |
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VMware | PVSCSI |
VirtualBox | LSI SAS |
Hyper-V | Hyper-V SCSI |
※VirtualBoxは、NVMe, VirtIO SCSIの2つを試してみたが認識せず。
ベンチマーク
・CrystalDiskMark ver. 7.0.0h
・diskspd ver.2.0.21a
結果
CrystalDiskMark
オプションなどの設定は全て初期値のままです。
シーケンシャルテスト
vmwareとvirtualbox はほぼ同じ傾向。Hyper-Vが苦戦してます。
ランダムテスト
vmwareとvirtualbox はほぼ同じ傾向。Q32T16のランダムテストのみHyper-Vが圧倒な差をつけてトップ
diskspd
パラメータは以下の通り。
diskspd.exe -d60 -o4 -h -L -t4 -W -w20 -c512M E:\test.dat
Throughput(スループット)
1秒間当たりの転送量です。VMwareが速い。
IOPS
VMwareが速い。
Latency(遅延時間)
PVSCSIはスループットが高いのでが遅延時間は1番低いですね。
CPU占有率
Hyper-Vの本領発揮。CPU占有率の低さに注目。VMwareもPVSCSIの効果でがんばっています。SASのVirtualBoxは不利です。
まとめ
総合的には、スループットの高さと、CPU占有率の低さからPVSCSI の VMware が1番です。
Hyper-Vに期待していたのですが、CPU占有率の低さは期待通りですが、その分パフォーマンスが出なかったのは残念です。
VirtualBoxはSASのデバイスエミュレーションが響いたせいか、スループットはVMwareに及ばず、CPU占有率は断トツ高い状況です。VirtIOが使えればVMwareのPVSCSIと似た特性になるのではないかと期待しています。VirtIOをWindows10で使用する方法をご存じの方は教えてください。