VMware Workstation Player 16 では、仮想マシンがWindows7の場合、ハードディスクのデフォルトコントローラにLSI SAS 1068が指定されますが、検証した結果、PVSCSIの方がスループットの高さ、CPU占有率の低さで優れている事が分かりました。PVSCSIに移行する手順を紹介します。
1. 概要
以下を参照ください
pmp-style.hatenablog.com
2. 注意
慣れない方は必ず仮想マシンを丸ごとコピーしてバックアップしてから作業をしてください。再起不能になっても責任が取れません。
3.全体の流れ
4. 詳細手順
Step1. VMXファイルをソート
vmxファイルはテキスト形式で行ごとに独立した設定を持ちます。行に前後関係はありませんが、同じデバイスは同じ個所に集めておきます。
コマンドプロンプトを開いて以下を実行してください。
sort < 仮想マシン名.vmx > 仮想マシン名2.vmx
Step2. システムドライブをSATAに変更
(1).
最初にHDDのインターフェースをSATAに変更します。
仮想マシンの編集画面を開いて、HDDのインターフェースを調べてください。すでにSATAの方は Step3 へ進んでください。
(2). vmxファイルをエディタで開き、システムドライブに使用しているデバイスをコメントアウトして、SATAにシステムドライブを接続します。
LSI SAS 1068から SATAに変更する例は以下になります。ファイル名は置き換えてください。
修正前
scsi0.pciSlotNumber = "160" scsi0.present = "TRUE" scsi0.sasWWID = "50 05 05 60 94 7f 33 e0" scsi0.virtualDev = "lsisas1068" scsi0:0.fileName = "win7.vmdk" scsi0:0.present = "TRUE" scsi0:0.redo = ""
修正後
#scsi0.pciSlotNumber = "160" #scsi0.present = "TRUE" #scsi0.sasWWID = "50 05 05 60 94 7f 33 e0" #scsi0.virtualDev = "lsisas1068" #scsi0:0.fileName = "win7.vmdk" #scsi0:0.present = "TRUE" #scsi0:0.redo = "" sata0:0.present = "TRUE" sata0:0.fileName = "win7.vmdk"
(3). 仮想マシンを起動して、デバイスマネージャでHDDがSATAで接続されている事を確認します。
Step3. PVSCSIのダミードライブを追加
(1). 仮想マシンの設定から SCSI HDDを新規追加してください。容量は最小の1Gでよいです。この時HDDのイメージファイルの名称を入力するので dummy_scsi.vmdk など分かりやすい名前にしてください。
(2). 仮想マシンを起動します
(3). ディスクの管理で SCSI HDDを初期化してアクセスできることを確認します。
(4). デバイスマネージャで「LSI SAS 1068」の下に SCSI-HDDが登録されていることを確認します。
(5). 仮想マシンをシャットダウンします。
(6). VMXファイルをエディタで開き、SCSIデバイスをPVSCSIに変更します。
修正前
scsi0.virtualDev = "lsisas1068"
修正後
scsi0.virtualDev = "pvscsi"
(7). 仮想マシンを起動します
(8). デバイスマネージャで「VMware PVSCSI Controller」の下に SCSI-HDDが登録されていることを確認します。
(9). 仮想マシンをシャットダウンします
Step4. システムドライブを PVSCSI 化
(1). VMXファイルをエディタで開き、システムドライブをPVSCSIに変更します。
修正前
sata0:0.fileName = "win7.vmdk" sata0:0.present = "TRUE" sata0:0.redo = "" scsi0:0.fileName = "dummy_scsi.vmdk"
修正後
#sata0:0.fileName = "win7.vmdk" #sata0:0.present = "TRUE" #sata0:0.redo = "" scsi0:0.fileName = "win7.vmdk"
この修正でシステムドライブが SATAからPVSCSIに変更され、ダミーのSCSIドライブは未接続状態になります。
(2). 仮想マシンを起動し、デバイスマネージャで「VMware PVSCSI Controller」の下に SCSI-HDDが登録されていることを確認します。
これでシステムドライブのPVSCSI化が完了です。
※ Windows10ではここでブルースクリーンが出て起動できませんでした。もし現象が出た場合、1度セーフモードで起動すると直ると思います。
(3). dummy_scsi.vmdk は使用しないので削除します。