PMPの流儀

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VMwareによる仮想マシンの活用例 (環境を仮想化して10年後に備える)

VMwareの記事を何本か書いていますが、VMware自体のテクニックが中心でした。今回はVMware上で動かす仮想マシンの例としてソフトウェア開発を取り上げ、仮想マシンを使う事のメリットを解説します。

1. ソフトウェア開発あるある

ある装置のソフト開発をするとき、当然ですが専用の開発環境構築をして開発をします。
それが数年経過すると…バグも落ち着いてきてほとんど日の目を見なくなり、開発時に使用したPCは倉庫の片隅に眠ることになります。
もしくは、新規案件のためにアンインストールして環境自体が失われることもあります。
そして忘れたころに、重要な案件なんかが飛び込んできます。

その時に、様々な不運が襲ってきます。
たとえば・・・

・当時のPCが立ち上がらない
・開発ツールのインストーラが無い。バージョンが分からない。ツールの名前すら知らない場合もあります。
・開発ツールの設定が分からない。
・最近のWindowsでは、過去の開発ツールが動かない
・当時の設計者は退職していて詳細を誰も知らない

例 以下は、WindowsXP上に開発ツールとターミナルソフトがあり、USB接続のJTAGRS-232Cを介してターゲットの装置と接続されている環境です。 f:id:ruruucky:20210621231828p:plain
10年後に確実に開発環境を残すにはどうしたらよいでしょう !?

2. 仮想マシンの活用

そこで登場するのが仮想マシンです。
仮想マシンはOS上で動く仮想的なパソコンです。その仮想的なパソコンの中にWindowsや開発に必要なアプリをインストールして環境を構築します。
新しいPCをセットアップするのと同じです。

最大のメリットは仮想マシンの実体はただのファイルという事です。このファイルさえ保管しておけばいいので、物理的なパソコンには依存せず老朽化の問題は発生しません。 10数年後に使いたいときには、最新のパソコンにVMWareをインストールすれば即動かす事が出来ます。仮想マシンの中は当時の環境がそのまま残っているのがポイントです。

開発中の今に目を向けるのではなく、10年後の自分が困らないために仮想マシンを作っておきましょう。

先ほどの開発環境を仮想マシンにするとこんな感じです。
Windows10の中でWindowsXP仮想マシンが動いています。USBやシリアル通信もばっちりできます。

f:id:ruruucky:20210621233126p:plain

3. 仮想マシンの注意点

いいことづくめの仮想マシンですが、利用にあたっては注意点があります。

3.1 Windowsのライセンス

仮想マシンの中のWindowsもライセンス認証が必要です。パッケージ版のWindowsを購入する必要があります。
今の環境を取っておきたい方は、Windows10 のパッケージを買って仮想マシンの中でWindows10を使えるようにしておきましょう。
パソコン業界はどんどん進歩していきますので、今のWindows10が動かない環境も訪れるでしょう。

ちょうどWindows11が発表されましたね。長くても5年に一度は世代が変わると思っていたほうが良いです。

3.2 仮想マシンソフトの選択

仮想化ソフトの代表例に、VMWare, VirtualBox, Hyper-Vがあります。この中でHyper-VにはUSBのリダイレクト機能がありません。
Hyper-Vだと上記のような環境は構築できないので要注意です。
VMwareVirtualBoxの2択ですが、安定性高速性の面でVMware の方が上です。
VMWare Workstation Player は個人利用は無料ですが、会社で使用するときは有料なのでご注意を。

4. 最後に

メリットはお判りいただけたでしょうか。
開発環境という特殊な環境を例にしましたが、個人利用の場合でもお気に入りのアプリ、周辺機器を末永く使いたい場合の延命措置として有効な方法です。
Windowsには互換機能があるのでアプリはそのまま動く可能性はあります。その場合はいいのですが問題はドライバです。ある周辺機器のドライバは発売当時のOSに合わせて作成されるので、10年後のOSで動く方が稀です。そういうものこそ仮想マシン化しておくことでその当時のOS、ドライバ、アプリがそのまま動くのが最大のメリットです。